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作れるようになった。次に差がつくのは「届ける力」

作ったサービスは、放っておいても使われません。作る前からの発信、最初の10人の見つけ方、SNSで何を投稿するか、法人向けの営業の始め方までを手順にしました。

作れる人が増えると、作れること自体の価値は下がります。実際、AIで開発している人の63%はもうエンジニアではありません。では、次に差がつくのは何か。届ける力です。 この記事では、作ったあとに何をすればいいのかを、具体的な手順として書きます。

まず結論

作ったサービスは、放っておいても誰にも使われません。

これは能力の問題ではなく、単純に存在を知られていないからです。そして、届ける作業は作る作業と同じかそれ以上に時間がかかります。

やることは3つです。

  1. 1

    作る前から発信を始める

    完成してから宣伝を始めるのでは遅すぎます。作っている過程そのものが素材になります。

  2. 2

    最初の10人を、自分の手で見つける

    広告でも拡散でもなく、1人ずつ声をかけます。ここを飛ばすと後が続きません。

  3. 3

    使われた理由を聞いて、それを言葉にする

    自分が思っていた価値と、実際に使われた理由はたいてい違います。

この順番が重要です。逆にすると、ほぼ確実に失敗します。

なぜ「届ける力」が鍵になるのか

供給が増えたからです。

63%

AIコーディングツールの利用者のうち、開発者ではない人の割合です。作る側の人口が急激に増えています。

出典:TechTimes(2026年5月)

これまでは「作れる」こと自体が希少でした。作れば、それだけで注目されました。

今は違います。同じようなものが毎日たくさん生まれています。 その中で見つけてもらうには、別の力が必要になります。

これまで

  1. 1アイデアを考える
  2. 2エンジニアを探す
  3. 3作りたいものを説明する
  4. 4数十万〜数百万円を払う
  5. 5数週間〜数か月待つ

いま

  1. 1アイデアを考える
  2. 2AIに「こんなものを作りたい」と相談する
  3. 3その日のうちに動くものができる
サービスを作るまでの流れは、AIの登場で大きく変わりました。

手順1:作る前から発信を始める

いちばん多い失敗が、完成してから宣伝を始めることです。

完成した日に投稿しても、フォロワーがいなければ誰にも届きません。当たり前ですが、多くの人がこれをやります。

何を発信するのか

完成品ではなく、過程を発信します。

  • 「こういう課題を感じている。同じ人いますか?」
  • 「作り始めました。今日はここまで」
  • 「うまくいかない。◯◯で詰まっている」
  • 「解決した。原因は◯◯だった」

うまくいっていない話のほうが読まれます。 完成報告は本人にしか興味がありませんが、失敗と解決は他人の役に立つからです。

なぜこれが効くのか

3つの効果があります。

  1. 完成する前に見込み客が集まる — 公開した日に、待っている人がいる状態になります
  2. 作る動機が続く — 見ている人がいると、途中でやめにくくなります
  3. 作る前に反応がわかる — 課題の投稿に反応がなければ、そのアイデアは見直したほうがいいかもしれません

3つ目が特に重要です。作る前に需要を確かめられます。

手順2:最初の10人を自分の手で見つける

公開したら、1人ずつ声をかけてください。 拡散を狙うのは、その後です。

どこで見つけるか

相手探し方
同じ課題を持つ人SNSで、その悩みを投稿している人を探す
知り合い該当しそうな人に直接連絡する
コミュニティその分野の人が集まる場所で紹介する
実際の現場BtoBなら、その業種のお店や会社に直接聞く

声のかけ方

売り込まないでください。使ってもらって、感想ではなく行動を見るのが目的です。

突然すみません。
◯◯で困っている、という投稿を拝見しました。

同じ課題を感じて、こういうものを作ってみました。
(URL)

無料なので、よければ触ってみてください。
使いにくいところがあれば、そのまま言ってもらえると助かります。

「感想をください」ではなく「使いにくいところを教えてください」と聞くのがコツです。 前者だと社交辞令が返ってきます。

10人で十分な理由

多くの場合、3人目までに同じ問題が繰り返し出ます。 人数を増やすより、1人ずつ丁寧に見るほうが得られる情報が多くなります。

手順3:使われた理由を聞いて、言葉にする

ここが、いちばん見落とされる工程です。

自分が思っていた価値と、実際に使われている理由は、たいてい違います。

たとえば「予約管理が楽になるツール」を作ったつもりが、使っている人にとっての価値は「電話に出なくてよくなったこと」だった、というようなことが起きます。

聞き方

  • 「どういうときに使いましたか?」
  • 「これがなかったら、どうしていましたか?」
  • 「誰かに説明するとしたら、なんて説明しますか?」

3つ目が特に有効です。 利用者が使う言葉が、そのまま一番効く宣伝文句になります。

自分で考えたキャッチコピーより、使っている人の言葉のほうがよく刺さります。

SNSで何を投稿するか

「発信したほうがいいのはわかるが、何を書けばいいかわからない」という人向けに、型を挙げます。

内容効果
課題の共有「◯◯が面倒で仕方ない」同じ課題の人が見つかる
制作過程「今日はここまで作った」応援してくれる人が増える
失敗と解決「◯◯で詰まった。原因は△△だった」保存・共有されやすい
数字の公開「使ってくれた人が10人になった」進捗が伝わり、信頼が積まれる
学びの共有「作ってわかったこと3つ」拡散されやすい

投稿頻度より継続です。 毎日でなくて構いません。週2回を3か月続けるほうが、毎日1週間より効きます。

BtoBの場合:営業のはじめ方

法人向けのサービスなら、SNSより直接の接触が効きます。

最初にやること

自分が働いていた業界、または詳しい業界から始めてください。

理由は、課題を具体的に語れるからです。知らない業界にいきなり売り込んでも、話が噛み合いません。

話し方

売り込みではなく、課題の確認から入ります。

◯◯の作業に、月どれくらい時間を使っていますか?

実は同じ課題を感じて、こういう仕組みを作りました。
まだ試作の段階なので、無料で使っていただけます。

その代わり、使いにくい点を教えてもらえませんか。

**「無料で使ってもらう代わりに意見をもらう」**という形にすると、断られにくくなります。

最初の1社が決まったら

その1社での成果を、具体的な数字にしてください。「月8時間かかっていた作業が1時間になった」のような形です。

これが次の営業でそのまま使えます。 実績が1つあるかないかで、話の通りやすさが大きく変わります。

発信の下書きも、AIに任せられる

「発信したほうがいい」とわかっても、書けないと続きません。下書きを作らせてください。

自分で作ったサービスについて、SNSに投稿する文章の案を5つ作ってください。

作ったもの: (説明)
今の状況: (例:公開したばかりで、使ってくれた人は3人)
届けたい相手: (例:同じ課題を持っている個人事業主)

条件:
・宣伝色を抑えて、読んだ人の役に立つ内容にしてください
・失敗した話や、途中で詰まった話も入れてください
・1投稿は200字以内でお願いします
・煽るような表現は使わないでください

「失敗した話を入れて」と指定するのがコツです。 成功報告だけの投稿は読まれません。

使ってくれた人の言葉を集める指示

利用者に聞くための質問を5つ作ってください。

目的:
・このサービスが、実際にどう使われているかを知りたい
・宣伝に使える言葉を、利用者の言葉から見つけたい

条件:
・「どう思いますか」のような感想を聞く質問は避けてください
・実際の行動を聞く質問にしてください

行動を聞く質問にするのが重要です。感想は社交辞令になりますが、行動は事実です。

やってはいけないこと

完成するまで黙っている

いちばん多い失敗です。公開した日に見てくれる人がゼロになります。

いきなり拡散を狙う

バズを狙った投稿は、当たっても続きません。1人ずつ増やしたほうが、結果的に速いです。

感想を聞く

「どう思いますか」と聞くと褒められて終わります。聞くべきは実際にどう使ったかです。

作り続けてしまう

反応が悪いと、機能を足したくなります。でも多くの場合、足りないのは機能ではなく、知られていないことです。

作る力と届ける力、どちらに時間を使うか

目安を書きます。

公開前 — 作る8割、届ける2割(発信を始めておく) 公開後 — 作る3割、届ける7割

公開後に比率が逆転するのがポイントです。ここを間違えて、公開後も機能追加ばかりしてしまう人が非常に多くいます。

よくある質問

Q. SNSのフォロワーが少ないのですが A. 最初は誰でもゼロです。 そして最初の10人は、拡散ではなく直接の声かけで見つけます。フォロワー数は後からついてきます。

Q. 発信する内容がありません A. 詰まったことを書いてください。 解決していなくて構いません。同じところで詰まっている人が必ずいます。

Q. 顔や名前を出さないとダメですか? A. 匿名でも問題ありません。ただし**「誰が作っているか」がわかるほうが、信頼はされやすい**です。

Q. 広告を出したほうが早いのでは? A. 最初の10人が集まる前に広告を出すのは、ほぼ無駄になります。何を伝えれば刺さるのかがわかっていない状態だからです。

Q. 作ることに集中したいのですが A. その気持ちは自然です。ただ、作ったものが使われないのは、届けていないからであることがほとんどです。

まとめ

  • 作れる人が増えたので、次に差がつくのは届ける力
  • 手順は3つ。作る前から発信 → 最初の10人を自分で見つける → 使われた理由を言葉にする
  • 発信するのは完成品ではなく過程。失敗の話ほど読まれる
  • 声をかけるときは「感想」ではなく**「使いにくいところ」**を聞く
  • 公開後は、作る3割・届ける7割に比率を変える

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